フラウンホーファー回折のふしぎ
フラウンホーファー回折はとっても不思議な現象だ.
その現象は単孔、スリットから光を通すと、正面におかれたはるか遠くのスクリーンに明暗縞模様がどんな光源を使った時にもできる.
フラウンホーファー回折は光源は干渉性の確実なレーザーにする必要が無く、干渉性のないはずのどんな光源でもできる.
でも干渉性のないランダムな変動をした光源なら、像がぶれてぼんやりしたり、明暗の縞の位置が見るたびにずれて観察しにくいはずだ.
フラウンホーファー氏は1800年初期に活躍した光学の専門家だ.
彼の生存した時代にはまだ写真機は存在しない.
だから明暗縞の観察には長い時間をかけていた.
安定した像が見えていたから観察が記録されている.
像が安定せずちらちらしたり、気が付かぬほど早い動きの変動があると像の輪郭がみためにもボケて、写真なら像がブレる.
だからフラウンホーファーは干渉性のない光源で観察を記録しているのだ。
たとえば1960年メイマンのルビーレーザができるまでレーザは利用できない.
1800年代の光学実験に用いる光源はレーザーではありえない.
変動性のある光源ならば干渉縞実験の像はボケる筈だ.
その時代に明るい光源は溶鉱炉の輝き、太陽しかない.
1800年代の終わりにイットリウムを熱した白色に明るいランプができ、そのあとに振動に強い後には初期の自動車にも使われたアセチレンガス灯(カーバイドランプ)がやっとうまれた.
だからフラウンホーファーや1805年のヤングの複スリット干渉実験にはランダムな確率に変動された光波が実験に使われていた.
像はボケていたはずなのだ.
ところが同じ時代のヤングの複スリットの干渉実験にも、像がブレずに明暗縞模様が観察されている.
だから孔やスリットの能力には変動する光源の性質を光路の途中で安定にして干渉性を高める特殊な能力を推測できる.
孔やスリットの能力は遮蔽効果、関門効果だけではない.
確率変動を収めて、確率の状態をいわゆる退化分布させる能力が孔やスリットにある.
ところでフラウンホーファー回折の現象を数式にすると明暗縞模様の位置と光波の強度の関係がフーリエ変換の姿になる.
フーリエ変換で関係式が表される物理の現象はほかにはシュレディンガーの波動方程式がある.
シュレディンガーの波動方程式は広範な物体の運動にあまねく成立する数式だ.
そして光源に気遣いなく、ヤングの干渉実験に安定した明暗縞が観察できる.
どうやらフーリエ変換に特有の性質からの影響なのか、同じようにたぶん光波を安定させる孔やスリットの働きは常時存在する効果なのだ.
参考
フラウンホーファー回折とヤングの複スリットを検索してください.
例
2-6 光の回折・干渉 Diffraction and Interference of Light
http://k1-kaneshiro.xsrv.jp/wp-content/uploads/2016/03/2-6%E5%9B%9E%E6%8A%98%E3%83%BB%E5%B9%B2%E6%B8%89.pdf
例には白色光で七色の虹風の縞模様実験写真があり美しく特に面白い.
とんでもなく重要な事実を現代の物理学が見逃していることを説明したくてこの記事を書いた。
現代の物理学は物質波の位相の同期が干渉縞の観察に起きていることに気が付かなかった。
そのことから結局見落としが基本にまで波及して、確率の退化分布、トンネル現象の位相に対する効果、最小作用の原理の真実を見逃してしまった。