サニャック効果と論理の矛盾
サニャック効果の論理の矛盾
サニャック効果はたとえば光ファイバジャイロに応用されたそうです.
光ファイバジャイロとは輪に巻いた光ファイバーのなかをとおる光から加速度を測る装置です.
光ファイバジャイロは光ファイバー加速度計ともよばれます.
輪の形状からリングジャイロともよばれています.
そのサニャック効果には相対性理論の威光を借りるまやかしの論理が隠れています.
複雑な演算を重ねた理論なので全てが正しいかのように目がくらみますが、実はその中に矛盾が多数あります.
論理を重ねる中に基本に齟齬する矛盾があるのです.
Ⅰ光ジャイロに関するそれぞれの問題点を確認する事にしましょう.
Ⅰ-①光ジャイロに直進の加速度の感度が無い疑惑
光ジャイロは輪の回転について測定するので、直進の加速度には感度が無い疑惑があるのです.
参照 http://www.phosc.jp/cms/article/000047.html
図をみると輪の回転による加速度の測定原理だとわかります.
加速度には回転と直進があり、それぞれは別の現象だし、数理上にも回転と並進は別の数理だから、片方から他方へ変換することはできません.
もし加速度が空間にあらわれたなら直交座標デカルト座標の3軸に表現することになります.
回転の加速度は、回転軸に平行な座標の原点が始点でベクトルの終点を3軸の座標にして回転軸を表したうえで、つぎに角速度の増減率とモーメントという、要素を全て揃えられたときに限り一意に示せます.
また直進の加速度は、直線上の単位時間の速度増減だけまたは、質量も示した時に一意に示されます.
回転加速度に変換するには要素が足りないのです.
たとえばマイケルソンモーレーの実験では直線光路を用いて、地球の運動速度と光速度を比較し、東西南北方向の差を観察しましたが、誤差程度の差しか測定できませんでした.
マイケルソンモーレーの実験にもし有意差が測れたとしても、数理に別な並進から回転の加速度を観察値から算定できるはずがありません.
そしてLIGOやカグラもマイケルソンモーレーの実験装置と同じ原理の観察装置です.
たとえばLIGOが地球の高速な速度での巨大なスケールを持った公転の回転について生じる加速度を検知したという報告があるでしょうか?
報告がないとすれば、直進の加速度検知から回転の加速度の測定はできないと実証しています.
Ⅰ-②光速度不変の原理と光ファイバー内の光の光速度変化の矛盾
さて光速度不変を確認しておきましょう.
実は下記に追加した追伸のように光路の物性によって光速度は異なります.
でも光速度は座標系の取り方に影響されないという原理があります.
さらに光速度は物体や光路の運動にほとんど影響されないという原理があります.
ところが光ジャイロの輪に巻かれた光ファイバーを通る光には光ファイバーのわずかな運動から光路の長さが伸びたり縮み、長さが変化しているというのです.
すなわち回転運動の方向性から、たとえば時計回りか反時計回りかで光路の長さに伸び縮みがあると表現しています.
時計回りと反時計回りで光ファイバーの輪の回転が光路の長さに伸び縮みが起きているでしょうか.
一見サニャックの説にだまされてしまいそうですが、長さの伸び縮みは実際の光ファイバーには起きていません.
光ファイバーの測定対象はたとえばスマホをゆっくりと東西にカメラの向きを変える時のようにわずかな速度、わずかな加速度です.
ジェットコースターほどに激しい加速度でも、まだスマホカメラの10倍にはなりません.
たとえば加速度計はヘリコプターのようなゆっくりとした変化の加速度を正確に寸分なく測れなければなりません.
そのような動きでは、相対論に従った長さを見積もると、光ファイバーの長さはその程度では変化しません.
一定の長さなのです.
小さな偏差を束ねて何千何万周に巻き積算したとしても、周回とは、東西南北成分は相殺し合い、何万倍であろうともご破算に消え去るでしょう.
だまされてはいけません.
光ファイバーの長さは一定です.
光速度が変化したと、サニャックは言いたいことを隠して、原理に当たり障りのないことばに言い換え繕っているのです.
回転運動の方向性から、時計回りか反時計回りかでほんとうは伝搬速度または光路の長さは変化しません.
ドップラー効果は実際に光路の距離が変わりますが、光ファイバーの輪の長さは一定なので、光路の長さは全く変わりません.
ドップラー効果とは様子が違うのです.
なんだか言質に一貫性がありません.
もし光路の運動に光速度がもし影響されるとしたら、たとえば地球上の光ファイバーは敷設方向により地球の公転から影響を受けて光速度がそれぞれ異ならねばならないのです.
それは常識に反するはずです.
これは大きな矛盾です.
Ⅰ-③光速度不変の原理に違反
光速度一定不変から発したサニャック効果の論理が結論に装置の中で光速度の変化や光路長の伸長、縮減を導いたとしたら、根拠の根底をみずから否定している.
たとえ一般の条件から特殊な条件へと結論に絞ったとしても、前提にした原理の一般性が否定されるので、論理が破たんしている.
Ⅰ-④干渉光の強度の矛盾
牧野淳一、鈴木清光、「加速度センサと光ファイバジャイロ」日本 ロボ ッ ト学 会 誌8巻4号 92ページから95頁8_468.pdfという記事がWEBにある.
参考
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrsj1983/8/4/8_4_468/_pdf
その記事の94ページには
干渉光の強度P、Kは 定 数,φsは 光 の 位 相 差 として
P=K(1+cosφs) [I]
回 転 が な く光 に位 相 差 が な い 場 合 にPの 出力 が 最 大 にな り検 出 感 度 上 不 都 合 であ る の で,・・・次 式 にな る よ う制 御 して い る.
は 干 渉 光 の強 さ,K'は 定 数として
=K'・Sinφs [II]
だという.
P'には時々刻々の光源強度を参照していないので、安定しない光源強度の変動をもとにした誤差が生じる.
また干渉光には明暗の縞模様があり、距離を拡げて分布しているため、測定の位置で干渉光の強さは大きく変動するのでPもP'も測定器の機体毎に異なる..
干渉光の強度という値は一定でなく、物理値として意味のある定義ができない.
したがって測定というには定義の不備があり矛盾している.
Ⅰ-③へ追伸
まず光速度Cはマクスウェルの式と
真空の誘電率εと真空の透磁率μから
C=√1/εμ
です.
この式の要素は真空の光速度を示しています.
物体には真空と異なる誘電率と透磁率があることが理科年表に示されているので、数式に従えばガラスやプラスチックでは真空とは異なる速度Vで光波は伝搬します.
たしかにその速度差がプリズムの現象にあるようです.
プリズムでは速度差と光路の距離によって、波面の向きが傾き、その結果に光の光路が屈折して光伝播の方向が変わり、新しい光路は以前の光路と角度を変えます.
プリズムではさらに色によって屈折角度が異なり虹のように色がスクリーンに分かれる分光という現象があります.
ですから光波は物質や波長によって伝搬速度や誘電率や透磁率が異なるのです.
光色と伝搬速度や誘電率と誘電率の関係について何とか理解しようとたとえば参考に
https://eman-physics.net/electromag/matter.html
を読んでみました.
それでは屈折率や光速度に対する光が電子を励振する効果を仮定しているが、結局演算結果は現象と一致できず破綻しています.
著者の仮定にもちょっとした問題があります.
光が電子を励振するそうです.
たしかに光が当たると物質は電子が励振されることから加熱されて温度が高くなります.
しかし観察原理によれば、それ以外の作用の存在を否定されています.
EMAN氏は気づいていないのか観察原理の問題に触れもせずあっさりと逃げているのですが、その仮定が光は物体や電子の運動に干渉しないという観察原理に大きく矛盾してるのです.
それでもひとまず光速度は波長、誘電率、透磁率の影響を受けると確認できました.
しかし光路の運動に光速度がもし影響されるとしたら、地球上の光ファイバーは敷設方向により公転の影響を受けて光速度がそれぞれ異ならねばならないのです.
それは常識に反する現象です.
そしてマイケルソンモーレーの実験結果にも反した論理です.
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