巨匠先駆者の干渉縞の位置ブレ見落とし
干渉、回折の明暗縞の位置ブレ
レーザー光以外の光源を用いた干渉実験と回折の光の現象には巨匠や先駆者が見逃した現象が隠れています.
明暗縞が映像に記録されるためには観察期間が長くかかります.
ロウソクの科学の著書で有名なファラデーや光学の発展に力のあったヤングやフラウンホーファーは1800年初頭に活躍しました.
1800年代には写真機が発明されましたが、屋外の撮影でもあかりが足りず10分間という長い露光が必要だったのです.
写真を撮ってみると、露光のあいだに像の位置がずれると写真にはブレが生じます.
ブレで像がぼやけるのです.
いままで観察された干渉縞にブレがあるでしょうか.
現代のレーザー光源で撮影すれば、像のブレは生じませんが、レーザー以外の光源では像のブレが生じます.
ところが干渉縞、回折縞の観察にレーザー以外の光源にもなぜかブレが生じていません.
ブレを消す効果が、実験装置の光路のどこかに存在しないとブレは消えないはずなのです.
したがってブレを消す現象が巨匠や先駆者に見落とされています.
基礎物理にはまだ研究すべきことがあるのです.
下記には干渉や回折の明暗縞に位置のブレが実験には見えないのに、むしろ生じないとおかしいと論理で説明します.
干渉縞のブレの実証
光は加速度の変化により干渉縞像の位置を変えます.
たとえば加速度を測定する装置に光波の干渉縞が使われます.
実験を辿ると古くはマイケルソン・モーリーのエーテルの検出実験です.
マイケルソンたちは加速度もしくは速度を原因とした干渉縞の位置の変化を検出しようとしています.
そして現代では光ファイバー中を通るレーザー光に干渉縞を作り、その暗線の位置の変化から、測定位置を暗線が単位時間に通った数を測り、数量の変動から加速度を測定できるとしてみましょう.
(加速度を測る光ジャイロのサニャック効果はまたの機会に別のブログで話します.多くの問題が複雑にあるので)
実用になったのですから、光は加速度の変化により干渉縞像の位置を確かに変えています.
そこで
http://www.phosc.jp/cms/article/000047.html
を参考にすると、検出法には干渉型、共振型、ブリルアン型という3種があり、暗線の数から測定する方法は共振型にあたります.
この事実からたとえ光速度が一定で波長が一定であっても、干渉縞には定位置に収まらず移動する可能性があることが推量できます.
答えが出たので数式化する意義なく、でも数式化できそうと推測できます.
常識として、干渉縞は移動するものです.
ところが干渉や回折の図解にはいつも境界が波動の節になった図で説明されています.
明解に理解しやすい図が、だまし絵のように私たちの目を眩ましているのです.
実証があればもう証明には十分ですが、これから数式で証明してみます.
数式で明暗縞模様の位置のブレを証明する
波動を三角関数で表した数式の位相項(角度)を注目すれば上記のような変動を起こす原因の有無を判定できるでしょう.
上記のような変動を起こす要因が数式中に存在すればブレがあるのです.
それでは数式をつくりそのブレについて項を検証してみましょう.
光波の進行波数式
光波には振幅a、初期位相ε、波長λ(または振動数ν、周波数f)の要素があります.
そして伝搬速度Cがあります.
光波は速度Cで伝搬する進行波と考えます.
進行波が幾つかまとまって束となって重なると波束を作り、波束はもし量子性があるならばソリトンなのかもしれません.
波束は一般に量子性が無く、時間軸のホワイトノイズとなる波形を持っています.
波束の構成成分は正弦波に分離できるので、まず正弦波について数式を作ります.
まず振動数と周波数の関係について
C/λ=ν=f
の関係があります.
ここで角速度ωを導入します.
角速度は振動一回について2πなので
ω=2πν=2πf
という関係があります.
基準点と観察位置までの距離がxメートルとしましょう.
観察点と光源と距離が離れると位相には遅れ進みがあり時間の遅れ分に換算できます.
x/C
という時間です.
進行波の数式は電気理論の進行波の振幅瞬時値ξの表式にならえば十分でしょう.
空間内を一定方向に進む波。振幅が a ,角振動数が ω の正弦波が
x 軸の正方向に進む速さ v=C 、時刻 t秒のとき
x におけるこの進行波の振幅瞬時値ξは次式で表わされます。
ξ=a sin {ω(t-x/C)+ε}
ブレの原因項
初期位相εは中カッコ{}で囲まれた中にあります.
中カッコには加法結合2項を一つにまとめています.
したがってεの働きは、結合のω(t-x/C)と同類です.
中カッコのなかの合計を物理用語の次元解析で表現すると、位相という次元で、角度の単位です.
干渉縞が加速度で縞の位置を変えるので、だからそれと同じに初期位相εの変化変動は、干渉縞の位置を変動させます.
もう少し式の変形で加速度が原因の時のブレの効果をわかりやすい形まで持っていくために、だんだん原点から離れながらの移動観測に条件を変えた数式にしてみましょう.
加速度によるブレの発生
加速度αを時間で積分すると速度vなので
∫αdt=v
として、一定の加速度で速度vが徐々にまして原点から段々離れる観測点の移動条件で数式にすると、
ξ=a sin {ω(t-x/∫αdt)+ε}.
(ここでは積分定数のconst.を 光速Cとした定積分を光速の前回の数式位置に代入している)
(加速度を測る光ジャイロのサニャック効果は複雑に多くの問題があるのでここでは無視します)
この数式の中に初期位相εにまったく無関係な波動の要素は振幅aしかないのです.
だからほかの要素の変動は干渉縞の位置を変動させます.
初期位相や位相の変動は明暗縞の像の位置をブレさせるのです.
これは干渉性のあるレーザーに対する答えです.
ところが一般の光波はレーザーではないのです.
一般の光源にはレーザーにはない変動が波動の要素の3種類にあるのです.
位相の変動が一般の光源にはあります.
振幅の変動が一般の光源にはあります.
波長の変動が一般の光源にはあります.
だから一般の光源のとき確実に干渉縞の位置をブレさせて変動させます.
もしaが確率的変動するなら、その変動は歪み波の加法重ね合せの数理からωにもεにも変動を変換可能な関係があるので、確率的な出現の光波ならば、かならず干渉縞の位置に影響を与えます.(aの影響波及についての考え方はブログに並んだ題から「波動の数式表現」の歪み波の複数歪み波へ分割と合成の方法を参照してください.)
よって加速度や位相の変化は干渉縞の位置に必ず影響を与えブレを生じます.
でも安定した明暗縞が記録できるのですから、光路のどこかにブレを抑える機構が無くてはなりません.
光路は単純なのでそのブレ抑え機構がスリットや孔にあると推論できます.
しかし巨匠や先駆者はそのブレ押さえの機構を見落としています.
大発見です.
見落としのあることを知った大発見があります.
そしてブレの治まる機構の存在に世界で初めて気が付いたという大発見があるのです.
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